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ブログ大黒流

毎日が大黒流
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山笠一考
 相当にだらだらとした文章ですが、山台が乾き解くまでの間を利用し、ブログを埋めます。

ここで述べたいことは、「本来、山笠をすることとまちづくりをすることは同じで、自治である」ということ、「まちづくりに山笠のパワーを活かし、みんなでまちづくりに取り組まないと、博多が無くなり山笠もできんごとなるぞ」ということです。
 「毎日が大黒流」がテーマのブログですから、問題提起のようなこともブログが活性化して良いのではと思います。たくさんのコメントがあり、このブログで激論があるのは望むところです。「もめるとが山笠てい」と言われますが、博多全体をもめさせるパワーが必要です。
 なお、「NPO博多まちづくりホームページ」を御覧いただければ、博多部でのまちづくり活動やその活動内容が少しは分かります。御覧ください。
http://www.hakatabu.net


平成19年の山笠が終わって

 平成19年7月15日早朝、今年の山笠が終わり、そして来年の山笠が始まった。大きな事故もなく、無事に執り行われたことは大変喜ばしい。
 しかし今年は台風4号のおかげで、山の歴史に残る1年となった。本来15日の山笠終了後の作業である山小屋の一部解体や人形飾り降ろしなどが13日14日に行われたりと、各流の当番町(流を構成する町の中でその年の流全体の世話をする町)をはじめ関係者はその対策に追われた。山笠も、14日の流舁き(流を構成する町々を舁きまわり清める)のスタート時間を早めたり(台風による強風の時間帯を避けるため)、各流の行事も対応した。博多の年寄りも、こんな体験は記憶がないといっている。
 都心部で行われる大掛かりな祭りでこういう臨機の対応ができるのも、単なる関係業者の協力だけでなく、山笠運営を仕切っている博多の人々の「自治する意識」の賜物であろう。

 博多祇園山笠のすばらしいところはこのように、地域自治を体現していることである。運営にあっては助成金もあるが、それは全体費用の一部であり、運営費のほとんどを各流各町の参加者が負担している。参加者全員が運営費の負担をし、参加者全員の自主性・主体性と合意(手一本)で行われるからこそ、多くの地域住民や町外からの参加者があるのである。また、誰か一部の人のためにするのではなく、博多のみんなためにする(祭りの起こりは博多からの疫病退散)ことが貫かれているから七百六十年以上も続いているのである。
 私は山笠期間、山大工(山の台をつくる)をしているが、山台に舁き棒(長さは約3間=5.4メートル)をロープで固定する「棒締め」という作業のとき、この自治の精神が生きていることを誰よりも実感することができる。当番町は毎年、この棒の高さや前後の位置決めには大いに神経を使う。舁き手の意見を聞き・反映し、流全町が納得するようにしなければいけないのである。山大工が勝手に決められないのである。

 舁き棒は円柱状で6本ある。正面(表)から見て右側3本を右肩、左側3本を左肩と呼び、それぞれ外側から1番棒・2番棒・3番棒と名づけられている。そして棒は両端が細く中央部が太く加工されている(ロクロ加工)。だから、棒の先端(棒鼻)は棒の中央部(台下)より高い位置にあることになり、棒鼻と台下では担う人の背格好が違ってくることになる。
 また、棒は棒ぐりで受けるが、そのくり方(深さ)は中央から外側になるほど高くなるように削られているから、1番棒が一番高く、3番棒が一番低いことになる。そして、棒の前後の位置関係は、表側に少し出されているが、このことによって表側(台の前)は見送り(台の後)側より少し高くなる(棒の先端と中央部の太さの違いで)。また場合によっては、棒自身の曲がりを調整したり、棒ぐりの段差以上の差をつけるため、棒と棒ぐりの間に薄い板を敷いたりもする。この他に「きゅうり舁き」と言って、1番棒の中央部(台横)に担ぐところがある。これだけでも十分に高さは低いのだが、ここの棒下部に2〜3僂量收修離バーをしてより低くしている流(大黒流)もある。

 このように担ぐ棒の高さを、棒の形や台への固定の仕方で、13通りに変えている。言うまでもないことだが、これは、あらゆる背格好の人が山を担えるようにするための工夫なのである。山台にはこのような、「自治の精神と知恵」が込められている。

 このほかにも「自治」を大事にする知恵が山笠にはある。箇条書き的になるが、いくつか記す。
○手一本:大掛かりで危険性もありお金もかかる祭りだから、全員一致を
 見るまで話し合われ、ここで得られた合意は反対意見者も従うことを誓う
 ための形が手一本である。意見が煮詰まり時間が来れば、少数意見者
 は自ら身を引くことも必要になってくる。しかし、あくまでも、全員一致だか
 ら、1町でも反対があれば事は決しない。
○当番町:流は10町前後で構成されているが、その年の流の世話をする
 町を当番町という。当番町は毎年順送りされ、構成員全町が行うことにな
 っている。これは、権力・権限が1町に集中する危険を防ぎ、全町が世話
 をする大変さを学ぶための知恵である。流によっては、流当番や世話当
 番というのがあり、町の住民流出やいろいろな事情で、全町的運営をして
 いるところもある。
○山笠振興会:流すべてで構成され、流全体のために世話をする組織で
 ある。昔は1番山笠がそれを担っていたが、戦後に振興会ができた。各流
 の上位組織ではなく、流全体や対外的な調整を行う合意づくりの場であ
 る。
○総代と現役:各町に年寄りが務める総代や、若手が務める取締・赤手
 拭の役員がいる。年寄りは町や流全体の山笠ができる環境づくりを担
 い、若手は山笠を動かすことを担う。そこは厳然と区別されている。長幼
 の序があるとはいえ、役割が違うだけで責任の重さは同じである。

 以上、これまで書いてきたように、博多祇園山笠には「博多の自治の精神と知恵(地域生活共同体である博多のみんなが仲良く楽しく暮らしていく知恵)」が込められ、博多の先人から今日の我々へと継承されてきた。しかし今日、この山笠運営全てにわたって、山の本質を揺るがすような状況・現実がある。
 「山笠があるけん博多たい」というコマーシャルがあるが、この言葉には大きな危険性がある。博多を憂うものなら「何という馬鹿なことを言うんだ」と思うはずだが?、「山笠さえ動いていれば、山笠さえやっていれば博多はすごいのだ」と思い込んだ、何のために山をするのかを考えない山笠馬鹿を生む危険性だ。
 山は博多のためにするもので、決して山のためにするものではない。だから本当は「博多があるけん山笠たい」である。それが分かっていれば、博多の現状を憂うならば、山の本質を知らない者のたわごとだと、このコマーシャルを黙って笑って見過ごせないと思う。

 博多の誇りである山笠は、見えない危機にある。地の人間が極端に少ないのである。博多部外からの山笠応援団の世話をし、運営の段取りをする地の人間の負担の大きさも限界を越えているが、町の住人が実質的に1世帯とか2世帯の町の姿は「山笠を動かす組織」とならざるを得ず、本来の博多自治でなく山笠自治となっている。つまり地域コミュニティが山笠コミュニティになっているのである。残念ながらこの弊害は、外からは見えない。
 その実態は文字にするのもはばかられるほどの大問題で、博多の自治を体現し誇りとする山笠の運営が、音を立てて崩れているのである。博多にこれを食い止め再生する自然治癒力はあるのか、つまり、健全な博多の町を取り戻そうとする人は残っているのか!?。
 昭和21年、戦後の博多に初めてオッショイの掛け声を出したのは奈良屋小学校の子ども達で、その標題は「みんなの博多みんなで復興」。・・・・マスコミや一部の人間に踊らされて山笠をタイムレースにしている場合ではない・・・・山台には早く走ることによる対策はあっても早く走るための工夫はない・・・・山笠に山台に学べ・・・・まちづくりを

同じ事をくどく書く!
 博多の外から、つまり山笠応援団のおかげで山笠の舁き手はどうにかなっている。しかし山笠運営の実態は、少数民族的な地の人々の世話によってなされており、その負担の大きさはあまり知られていない。
 最大の原因は人口の流出・空洞化である。特にファミリー世帯は極端に減り、博多部の四小学校が一つに統合されても児童数は500人ぐらいである。博多部の今の人口はピーク時4.2万人の1/3ぐらいだが、それに占めるファミリー人口の割合は児童数から考えても非常に小さい。
 増えるのは投機的なワンルームマンションと駐車場ばかりである。博多の地主もどこの誰かは分からない。このNPO博多まちづくりができたきっかけとなった言葉、「このままじゃ博多がのうなる」は、残念ながら今も生き続けている。博多に山笠さえあれば良いという考えが間違っていることが、そう遠くない内にみんな分かるだろう。
 分かったときが終えたときにならないよう、山笠に使われる知恵やエネルギー(自治力)をまちづくりに生かさないと博多の先人に申し訳が立たないだろう・・・。


 博多人は、博多部の空洞化を放置し続ける行政や政治や自治会の怠慢と自己目的化に対し、「集団山見せを止めるぞ」と言うぐらいの気概を持てるか!?
| 平成19年山笠 | 10:04 | comments(0) | trackbacks(0) |









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